観世流シテ方の白翔会さまの能会のお出迎え花
を活けてまいりました。場所は国立能楽堂。
演目が、「屋島」と「安達原」でしたので、秋と曲にあわせた花で制作いたしました。
「屋島」は源平合戦のお話し、主に源義経と那須与一のお話になりますので、源氏の旗頭の白から白萩をたっぷり使い、平氏の旗頭の赤は今が盛りの曼殊沙華で表現いたしました。白い曼殊沙華もてにはいりましたので、少しいれて…
また、「安達原」は東北の鬼ババ伝説のお話
荒涼としてなにもないところに一軒の家…
薄は厄除にもなりますので、薄を少しいれて
「安達原」のイメージにちかずけました。
そして、日本文化が広く世界で実を結ぶようにと祈りを込めて、柿ノ実をいれました。
国立能楽堂の玄関をはいり、お席に行く、突きあたりに生けさせていただきました。
お客様には、入ってきていただき、私の作品で「秋」を感じていただけたら良かったと。
また、百合をいれてありますが、これは、来ていただいたお客様に百合の香りでお花に気づいていただけたらと思っていれてあります。
生け花の素晴しさは、妄想?というか、表現をすることに、お花の美しさだけでなく、空間や物語を表現できることとおもっています。そこにこそ、面白さが詰まっております。
とくに、私はお花がきれいとかその場が明るくなるということだけでなく、物語を活けるのが
大好きです。
これは、舞台美術をやらせていただくことで、回りとの合わせ方や、その物語のストーリーに合わせた美術セットを私らしく表現することの積み重ねからできたことと感謝しています。